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車から化粧品まで大学育ち
 民間企業や地方公共団体などと大学が連携して、研究・開発を進める「産学官連携事業」。経済産業省の、地域イノベーション創出研究開発事業などの後押しもあり、その数は、2010年度には1万5544件に。それでは、関西にはどんな研究があるの?ということで、生活に密着する「医療バイオ・工学系」の事業から、9大学の研究を紹介します。読者プレゼントも用意!
読者が産学官連携事業の現場へ
ちょっと難しいけれど身近なものばかりね
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研究の現場を訪ねてくれた、読者の田中洋子さん(神戸市・写真左)と今里文子さん(大阪市・同右)

大阪府立大学×法人・団体・個人のコンソーシアム
大阪の活性化につなげたい 「大阪産EV開発」
 大阪府が取り組む「大阪EVアクションプログラム」と連携して、2010年4月、大阪府立大学にEV開発研究センターが誕生。59の法人・団体、42人の個人でコンソーシアムを結成し、今年1月に開催された大阪モーターショーでは、人力車のような3人乗りや、1充電で大阪東京間を走行できるような“大阪魂”を感じさせる、3種類のEVが出展されました。
 同センター長の森本茂雄さんは、「蓄電池に対するポテンシャルが高い大阪。地元企業のパーツでEVをつくり、大阪の活性化につなげることが大きな目標」と話します。部品類の小型・軽量・パワー化が進み、一気に動き出した感がある電気自動車(EV)。森本さんが今、技術面以上に苦労しているのは、「“大阪らしさ”とは何か。そのコンセプトづくり」です。
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一充電で、587.3qの走行に成功!(平均時速55q/h)。スマートなボディーの“Himiko(ひみこ)”
(製造:TGMY)
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5人乗りの電気自動車。営業者として活躍中
(製造:ユアサM&B)
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大阪府立大学EV開発研究センター
センター長・森本茂雄さん
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“大阪産EV”の一つ、“Meguru(めぐる)”。読者の今里文子さんも「こんな車は初めて」。淀川製作所・代表取締役の小倉庸敬さん(写真右)は、「人力車をイメージした」と話します


甲南大学×ファイン
DNAで紫外線をカットする 「化粧品」
 お肌の大敵“紫外線”を、サケの白子DNAを使って防ぐ!?
 「皮膚のDNAを損傷させる、紫外線のメカニズムを逆手に取りました」と、甲南大学教授の杉本直己さん。紫外線に“おとりのDNA”を損傷させて、本来のDNAを守るというのが、この化粧品の仕組み。機能性食品の会社「ファイン」と共同して、“おとりDNA”として目をつけたのが、産業廃棄物として大量に捨てられている、サケの白子DNAでした。
 「DNAは、水に溶け、無色になります。化粧品に応用しやすいんです」と杉本さん。
写真   神戸ポートアイランドにある、甲南大学サイエンスフロンティア学部・生命科学科には、なんとギネスブックにも載った、巨大なDNAのモニュメントが   写真   白い粉が、サケ白子DNA。水に溶けると無色になります
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「子どもにも使用できればいいなあ」と、読者の田中洋子さん(写真右)。「成分としてはもちろん可能」と杉本さん(同左)。パソコンの画面は、DNAの構造


写真 シャーレ上で培養された酵母菌
兵庫医療大学×京都大学×ジェノラックBL×メドレックス
カンジダ感染症予防の 「食べるワクチン」
 “食べて”カンジダ予防。そんな画期的なワクチンを開発しているのが、兵庫医療大学薬学部准教授・芝崎誠司さん。カンジダには根本的な治療薬はなく、免疫力が落ちている人が感染すれば、死に至ることも。
 使用するのは、酵母菌。パンを発酵させるために使うイースト菌です。この表面に、ワクチン効果があるタンパク質を付けたものを培養し、カプセル薬に。「注射に比べて生産も扱いも簡単」(芝崎さん)。現在、動物実験中ということで、実用化が待たれます。「実験が成功すれば、ワクチン効果のあるタンパク質に蛍光物質が作用して、緑色に光ります(写真右下)。顕微鏡をのぞき、これが光っていたときは“やった!”(笑い)」と芝崎さん。
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液体培養された“食べるワクチン”。「増殖が進まないよう4℃で保存し、動物実験をしている場所まで運びます」と芝崎さん


ミセスが気になる産学官連携事業
研究成果が暮らしに役立つ商品に
産学官連携事業から生まれた、女性にうれしい商品の数々。すべて実用化され、販売されているものばかりです。商品の読者プレゼントに、どしどし応募して!
このマークの商品は読者へのプレセントも。数字は人数

光老化を抑える“フコキサンチン”配合 京都大学×ビーティフィック
EGFXブライトクリーム(3万1500円/30g)
 シワができるメカニズムを知っていますか?
 京都大学大学院農学研究科准教授菅原達也さんは、「紫外線による皮膚の変化(シワ、タルミ、表皮肥厚化など)を“光老化”と呼びます。これには血管新生(新しい血管ができること)が深く関わっていることがわかっています」と話します。そこで菅原さんは、海藻に含まれる機能性物質「フコキサンチン」の新たな機能性を調べたところ、血管新生抑制作用があることを発見。「抗シワ作用があるのではないかと考えました」と菅原さん。
 このフコキサンチンを使ったクリームには、このほか、西アフリカに生息する植物から抽出した、ミトラカーパススケーバー、加齢とともに減少するといわれている、ヒトオリゴペプチド−1が配合され、エイジングケア商品として発売中。
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写真 京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター長・大槻公一さん
“金属イオン”がウイルスをブロック 京都産業大学×ダイワボウ
アレルキャッチャーマスク(オープン価格/30枚)
 関西では唯一の、鳥インフルエンザの研究施設「鳥インフルエンザ研究センター」を持つ京都産業大学。同学総合生命科学部教授で、センター長の大槻公一さんらが開発したのが、鳥インフルエンザウイルスを防ぐ素材を使用したマスク。研究の際大槻さんらは、すでに企業が別の用途で開発している素材の中に、同ウイルスに対して抗菌作用のあるものが含まれているのではないか、と期待したそうです。
 「繊維製造業界では長い歴史を持つ会社が多いので、必ずあると。調べてみるとやはり抗ウイルス効果のあるものがいくつか発見できました」。ヒミツは、金属イオン。鳥インフルエンザだけでなく、通常のインフルエンザにも有効で、これを不織布加工に応用しました。
 現在、ダイワボウポリテックから「プロテクシールド」という名前でマスクとして販売され、医療現場や企業備蓄用として使用されています。
 市販されているのは、ダイワボウノイから販売されている「アレルキャッチャー」マスク。これには、抗ウイルス技術とともに、信州大学との産学協同研究で生まれたアレル物質の吸着分解技術も活用されています。
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写真 神戸大学大学院農学研究科准教授・竹中慎治さん
“スーパーキチン”成分でしっとり肌へ 神戸大学×イーストマン
エイジングケア美養洗顔生せっけん(2480円/100g)
 5年にわたる共同研究の中で、天然酵母から発見された、「スーパーキチン」成分配合のせっけん。
 スーパーキチンとは、β-グルカンやマンナンプロテインといった多糖類が結びついた成分。イーストマンの代表取締役・東繁夫さんは、「カニなどの甲殻類由来の成分として有名なキチン・キトサンには、傷ついたヒフを再生する能力があることがわかっており、医療分野で実用化されています。スーパーキチンは、甲殻類からではなく、桑の実から単離された天然酵母由来の成分。ヒフの新陳代謝や再生への効果や免疫活性化への役割などを追加検証中です。」と話します。
 当初は固形だったものが、美容成分を極端に増やすとクリーム状になりました。天然保湿成分と結合し、粘り気のある細やかな泡が。「酵母の培養や効率の良い抽出方法など、大学での研究が生かされています」と、神戸大学大学院農学研究科准教授の竹中慎治さん
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野菜“クヮンソウ”で健やかな眠りを 同志社女子大学×琉球大学×クレイ沖縄
ぐっすりん(2800円/20カプセル・10回分)
 薬草を研究する中で、同志社女子大学薬学部教授の小西天二さんは、琉球王国時代から「食べるとよく眠れる」と言われていたユリ科の野菜“クヮンソウ”に注目。共同研究の結果、睡眠誘発効果が高いオキシピナタニンが大量に含まれていることを発見し、大量抽出に世界で初めて成功しました。
 「クヮンソウでも、この成分が大量に入っているのは、冬季のものだけなんです」と小西さん。睡眠薬と違い、自然な眠りが促され、途中で起こされたとしても、ちゃんと目覚めまるそう。睡眠障害のリスク軽減に役立つ商品として期待されています。
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クヮンソウは、九州南部〜沖縄・台湾に生息。鮮やかなオレンジ色が美しい、ユリ科の植物です
  写真   同志社女子大学薬学部教授・小西天二さん
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写真 大阪大学大学院歯学研究科教授の今里聡さん
抗菌成分入りの歯科用接着剤 大阪大学×クラレメディカル
⑤クリアフィル メガボンドFA(歯科用接着剤)
 虫歯を治療しても、また同じ歯が虫歯になってしまった経験、ありませんか。大阪大学大学院歯学研究科教授の今里聡さんは、今から15年ほど前に「接着剤に抗菌成分を入れて、治療後に残っているかも知れない虫歯原因菌を駆除すれば、再発が防げるのではないか」と考え、研究を開始。最も難しかったのは、接着剤として使用した際に、抗菌性を発揮しつつ、詰め物が長持ちするようにしっかりと固まる抗菌成分の開発。今里さんが考えた分子構造のデザインに基づいて、クラレメディカルが合成し、今里さんが効果を判定する形で、実用化に至りました。
 2004年にまずはアメリカ、翌年にヨーロッパ、日本では2006年に認可。
 「虫歯の治療では、虫歯を作る細菌が感染している部分を取り除くことが基本ですが、万一すべて削り取ることができなかったとしても、新たな虫歯にはなりにくい。削る量も最低限で済みますので、患者さんのストレスも少なくなります」と、今里さん。
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写真 大阪市立大学大学院医学研究科教授・梶本修身さん
抗疲労効果の高い成分で疲れを軽減 大阪市立大学×総医研ホールディングス
イミダペプチド(10本入り2680円/1本30ml)
 2003年に立ち上げられた「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」。大阪市立大学大学院医学研究科教授の梶本修身さんは、23の食品成分を試した結果、「イミダゾールジペプチド」の抗疲労効果が高いことを発見しました。これは、渡り鳥の羽の付け根(胸)に多く存在している成分で、例えば魚であれば尾ひれの部分、人間ならば、脳の自律神経中枢など消耗の激しい部位に多く存在しているそう。
 「疲労の大きな要因は、活性酸素が細胞をさびさせること。細胞がさびる過程が“疲労”で、さびついてかたまってしまうと“老化”になります」(梶本さん)。そこで、抗酸化作用のある成分を取り入れて、疲労を軽減するものとして、注目されたのがイミダゾールジペプチドです。
 「ポリフェノールの方が抗酸化作用は高いのですが、血液中に入るとすぐに消費され作用を失います。一方、イミダゾールジペプチドは、血中をアミノ酸の安定した状態で運ばれ、合成酵素が豊富な脳などで再合成されてそこで初めて抗酸化作用を発揮します。つまり、最も消耗の激しい部位で直接に抗酸化作用を発揮する点で、抗疲労効果が高い成分なのです」
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締め切り 3月14日(水)締め切り。
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